「トモ、ぼくは元気です」
初めて読んだのは、
小2の馬渕公開模試の国語の読解問題でした。
物語の1部、たった800文字の文章に、
私と息子は引き込まれました。
トモと、トモの弟である主人公カズキは、これからどうなるの?
気になって検索してみると、
中学受験対策課題図書だそう。
な…なんやそれは…
とにかく、なんかすごそう。
小学生最後の夏休み、ぼくは浪速の商店街にいた――。
読み終えたあと、きっと人にやさしくなれる。そんな物語。
椋鳩十児童文学賞受賞作家、待望の第2作!
早速、図書館で借りてきて、テーブルに置いておくと、
学校から帰ってきた息子が、こういいました。
「あのお話の続き、借りてきたの?読んでくれるの?」
おぉ! そんなに興味があるのかい!
Contents
あらすじ「トモ、ぼくは元気です」
障害児の兄トモを持つ、弟カズキは、
家庭内で問題を起こし、小6の夏、関西の祖父母の家に預けられます。
飛び交う関西弁、アニマル柄、距離の近いやり取り、ノーブレスの喋り。
最初はカルチャーショックと、わずらわしさで、イライラがつのるカズキ。
けれど、人々のやさしさや、いたわりに触れ、自分の心のモヤの正体に気付いていく。
\プレゼントキャンペーン開催中/ 「年齢別絵本・児童書全冊セット」をご注文の皆さまに「しろくまオリジナルトートバッグ or 巾着」をプレゼント!まず母が読む
「読んでくれるの?」と息子に言われたものの、
児童文学小説を丸々一冊なんて、読んだことはありませんからね。
どうなんやろ?
逆に「本キラーイ」とかなったらどないしますねん、と
「先にママが読んでからね、それから読んであげるよ」と、
母チェックを入れることにしました。
のちに私は「児童文学小説」様に平謝りすることになります。
こ、これは、なんて面白いんだ!
最初は通勤電車の中で、パラパラと読み始めました。
「今出里一丁目って、大阪の今里の商店街がモデルかな。確かにこんな感じのありそう」
「大阪の小さい商店街のおっちゃんおばちゃんって、こんな感じかも」
とか、序盤の小説の舞台設定を、通勤途中にダラダラと3日ほどかけて読んでいました。
ところが、
残り2/3は、喫茶店でダーッと一気に読み切りました!
(息子の塾待ち2時間の喫茶店)
途中、何度も涙がこぼれそうになりましたが、喫茶店だったのでなんとかそれは耐えました!
おもしろい!久々に夢中になりました!
児童文学小説なので、ハードな描写はありませんし、
小6のカズキの心の動きもとても分かりやすく描かれています。
そして、商店街の人たちのやさしさが、染みる…
やさしさといっても、「静かなやさしさ…」です。
「あっ、この人やさしー!いい人!」ではなく、
「あ、あれ?いつの間にか、やさしさの毛布に包まれてた?」
という感じです。
これは絶対、読ませたい。
こんな「やさしさ」に触れさせたい。
あっという間に読んだ小4の春
で、すぐに小3の息子に読み聞かせたかというと、
ちょっと寝かせました。
こんな良い物語を、小2、小3の浅い知識で、半分ワケワカメで読むのは、勿体ない気がしたんですよねー。
そして、
小4の1学期が始まってすぐ、
息子はあっという間に、
夢中で読み切ってしまいました。
最初の方は私が読みきかせましたが、途中で奪われたかんじです。
ほぼ、塾通いの電車の中で1人で読み終えていました。ワオ。
主人公のカズキの、中学受験塾での様子、
塾でのお弁当、教室の話、テストプリント、理科や社会の話、リアルな自分と重ね合わせるところがあったようです。
夏休み、金魚すくい、ちょっといざこざ、でも友達。
どう! 面白かったやろ?
と、息子に聞きたかったですが、なんか、やめときました。
いい物語を読んだ後に、母が入り込んではいけない気がしましてね。
もし、高学年のお子さんをお持ちのかたは、是非一度、読んであげてください。
まだお子さんが小さければ、親御さんだけでもまずは読んでみてください。
「あぁ、読んでよかった。いつか読ませてあげよう。」
必ずそう思うはずです。
子どもたちが、良い本に出会い、読書を楽しむ豊かな人生を歩む、お手伝いができるといいですね。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
【この記事を書いた人】
とろろ
四国の超絶イナカの公立高校卒業。同じ田舎から、慶応義塾大学に進学したイトコと、その家庭と叔母を隣で見続ける。
高齢出産で産んだ我が子は、どんくさく、運動もダメ。
それなら、叔母のように、子どもに学びを身に付けさせようと決意し5年。
中学受験を目指し、塾や家庭学習の事を書いています。
ーーーーーーーーーーーーーーー