中学受験をさせたり、高学歴の子を持つ家庭が、みんなお金持ちばかりだと思いますか?
そんなことはないです。
収入が少なくても、子供ににしっかり学びを身に着けさせた方がいるんです。
- 離婚した元嫁が、息子を灘に合格させたバーのマスター
- 息子を大阪星光学院に合格させた求職中のシングルファザー
- 息子2人を、東大寺学園中学に合格させ、医大に通わせているパートの先輩
- 息子を大学院まで行かせ、大学の准教授にした田舎の農家
今日は、私が、「年収500万でも、息子を中学受験させよう」と思ったきっかけになったお話です。
Contents
元嫁が、息子を灘中に合格させた、barのマスター
私が独身時代、時々行く小さなbarがありました。
ある日、いつものように友人とカウンターで飲んでいると、
かかってきた電話に出たマスターが、
「ありがとう!ありがとう!」
と、電話口の相手に言っているではないですか。
一体どうしたと聞くと、
「別れた嫁が、息子を灘中に合格させた!」と。
店にいた常連客は仰天!大盛り上がりでした。
(灘中 偏差値78 いわずもがな関西トップの難関校)
「元嫁すごいな!」
「お金がんばって送ったらなあかんやん!がんばれー!」
マスターは、狐につままれたような、なんとも言えない表情で、みんなに祝いとエールをもらいながら、こう言いました。
「僕、これからもっと頑張りますわ」
そして、しばらくしてマスターは、経営していたbarを閉店し、
某有名宅配業者の制服を着て、荷物を抱えて地元の町を走り始めました。
灘中合格者数17年連続日本一達成!中学受験専門塾【浜学園】
「灘」という賢くて、お金のかかる学校があって、
だけど、そこに息子を通わせるために一生懸命に働くマスターは、
以前より健康的で、キラキラしていて…。
なんか、前よりかっこいいよ!
と、思った若かりし20年ほど前の出来事。
私が「中学受験」というものを頭の引き出しに入れたのはこの出来事が始まりでした。
シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て
奨学金や、補助金をフル活用した、たかせみほさんの本。参考になるし、おもしろいです。
大阪星光学院ボーイと、求職中のシングルファザー
大阪星光学院シングルファザーにお目にかかったのも、飲み屋でした。
(大阪星光学院中学 偏差値63 関西トップクラスの難関校)
駅前の居酒屋で友人と飲んでいると、夜の21時頃、1人の中年男性がお店に入ってきました。
すると友人が声をかけました、
「○○やん!久しぶり~!」
友人とシングルファザー○○さんは、地元の同級生だそうで、久しぶりの再会に嬉し驚きの様子。
「息子の塾の迎えに駅まできてんけど、時間が早すぎたから一杯飲みにきたんよ」と。
私は、こう思いました。
ん??塾のお迎え??夜の9時に?
どういうこと?
まぁまぁ、息子さんからの電話がかかってくるまで、ご一緒しようよ。
となって話を聞くと、
離婚後、地元に帰ったシングルファザーさんは、両親と息子と4人で暮らしているそう。
で、その塾は、
「浜学園?!めっちゃ賢いやん!」
友人がやたらとハイテンションな反応をするではないですか。
私は、「は、はま学園??」
初めて聞く「浜学園」。
そして、こんな時間に、小学生が電車に乗って塾から帰ってくる、ということに、ビックら仰天です。
灘中合格者数17年連続日本一達成!中学受験専門塾【浜学園】そのうち、息子さんからの電話が鳴り、
せっかくだから、顔見せてほしいという友人の頼みで、居酒屋に連れてきた、初めてみる中学受験生の印象は、
「なんか、かっこいい」
でした。
イケメンではないんですが、眼鏡をかけた表情は、キリっとしていて、知的さが溢れ、
私の小学生の頃の、ぬべっとしたぼんやりした顔の小4男子とは、全然違う生き物に見えました。
(↑ 多分わたしも、ぬべっとしてぼんやりしていた)
「誰に似たんか、勉強が楽しいねんて」
と、嬉しそうに笑うシングルファザーさんが、とても印象的でした。
でもって、
「勤めてた会社が倒産して、失業保険もらいながら就活中」と言っていたシングルファザーさん。
その後、無事に就職し、息子さんも星光学院に合格したのを聞いたのは、それももう、20年近く前の話です。
息子2人を東大寺学園に合格させ、医学生にしたパートの先輩
今度は私のパート先の先輩です。
彼女の旦那さんは普通の勤め人で、
息子さん2人と一番下に娘さんが1人。
3人兄妹を育てる、年収103万以内で働くパート主婦でした。
日能研で学んだ息子さん二人を東大寺学園に入学させたそう。
(東大寺学園中学 偏差値73 関西トップクラスの難関校)
旦那さんがどのくらいの収入か?
それはさすがに聞くことはできませんでしたが、
子供は3人ですし、先輩も私と同じパート(時給1,000円)だったので、めちゃくちゃ生活に余裕があるわけではないようです。
息子さんの一人は国立大学へ、もう一人は、地方の医大で学んでいるそう。
地方の医大の学費を免除してもらう代わりに、医者になった数年間は、その病院、もしくは、その地域の病院で働く、という縛りがあるらしいです。
地方の医者不足を防ぐための、国の措置だそう。
そういえば、
コウノドリ という漫画(ドラマにもなった)の主人公の産婦人科医は、
両親はおらず、孤児院で育った人。
「お金もないだろうに、どうやって医者になるんだ?」と疑問に思っていましたが、
先輩の息子さんのように、地方で学ぶ方法や、補助金のシステムを使った、という設定なのかもしれませんね。
家の掃除は0円、でもその掃除、CaSyが1500円/時間〜で買い取ります。しかし…中受を成功させた人や、真っ最中の人って、
あんまり、ペラペラとはそういう話はしないのですよね。
みんな謙遜してるっていうか…。
「プリントの整理?そんなん大体でやってたで」
「家?ぐちゃぐちゃやったわww 3人も子供がおって、パートもあるし、大変よ」
てな具合で。ほんとかな?
でも、こうおっしゃっていました。
「イライラすることなんて、普通。
でも、中学受験は長いからね、焦らんといこう」
なるほど。
まだうちも小3ですしね。
そんな先輩の娘さんも、現在大学を卒業し、留学中だそう。
超絶田舎の農家から、大学院まで息子を通わせたご夫婦
4組目は、
四国の超絶田舎の農家のご夫婦の話です。
こちらの息子さんは、中学は公立でしたが、高校から、県内でも有名な私立高校で寮生活をし、
私立大学を経て、国立大学の大学院まで行かせたそうです。
私の実家は農家ですのでよくわかるのですが、
まず、農家の稼ぎで、大学、大学院まで行かせたことがスゴイんです。
ほとんどの農家は年収200万~300万。いえ、もっと低いかもしれません。
「農業で年収1,000万」
とか、ネット情報があると、イヤ、そんなわけないやん!と全力つっこみですよ!
年収1,000万の農家なんて、見たことも聞いたこともない!
世の中にはいるんかもしれませんけどね、ほんとごく一握りですよ!
高級フルーツ農家とかなら1,000万あるのかな…?
うちの地元ではまずないけど。
農家は、野菜や米を自給自足はできますが、
光熱費、被服費、それに田舎は車が必須ですから、それらの維持費、
国民年金も、国民健康保険も高いですからね。会社勤めだと、半分会社が負担してくれますから。
自由はあるけど、収入は少ないのが、農家の現実です。
そこに、大学、大学院の学費。一人暮らしの生活費。
農業だけで、そこまでお金を作るのは
めちゃくちゃ大変です!
農家から進学=田畑を売った
は、田舎ではよくある話なので、そういう金策もしたかもしれません。
けれど、ご両親の努力で、
息子さんは今、小さいころから大好きだった、磯の生き物の研究ができる大学で、准教授になっています。
実は彼は、従妹の旦那さんで、
私は彼らの結婚式で、そのご両親にお会いしました。
失礼な話ですが、初め私は、そのご夫婦を、新郎のおじいさんおばあさんだと思っていました。
「いっつも、腰まげて畑やっちょったら、曲がってしもうてねぇ…」
と、日焼けした皺の深いお顔で、ニコニコゆっくりお話しされる方でした。
結婚式の最後に、新郎新婦と両家のご両親が並んで挨拶をされる時、
新郎も、ご両親も泣いていました。
とてもとても苦労したんだろうと、思います。
息子の夢をかなえてやろうと、すごくすごくがんばったんだと思います。
「いつか子供ができたら、その子のために頑張ってあげたいな…」
「それって、きっと私も幸せだと思う」
そう思えた、あの日のご両親の姿は、今でもよく覚えています。
6か月間毎日五時間で売り切れ閉店のお餅屋 えにかいたもち超絶ド田舎から、息子を慶応卒業させた叔父叔母
最後に、私が一番近くで見ていた、
息子を、超絶ド田舎から、慶応に行かせた、叔父叔母夫婦の話です。
叔父叔母夫婦は、田舎の中では低収入ではなかったとは思いますが、お金持ちでもありませんでした。
叔父は一人で大工をしていましたし、叔母はその手伝いをしながら、畑を耕し、家で食べる野菜を育てていました。
兄弟二人を、私立高校、私立大学に入学させ、それぞれを一人暮らしさせ、
大学に行く前に、2人とも一浪しているので、その予備校費も、一人暮らしの費用も必要でした。(家の近くには予備校はないので)
当時の、電車も通らない、山だらけの田舎の子は、たいした学費もかけられることなく高卒で終わる子が多い中で、
叔父叔母はおそらく何千万もかけて子供たちに学びを身に着けさせました。
そして、社会人になってからは、兄弟二人とも、しっかり自立し、
自分のお金でガタガタだった歯並びも直しました。
一流企業では、福利厚生で歯の治療の費用を負担してくれる会社もあるというから驚きです。
そして、叔父も叔母も、兄弟たちも、昔から、キラキラしていました。
いつも忙しそうで、何かに向かって一生懸命だった彼らが、私はとても羨ましいと思ったものです。
それが、私の今の生き方の原点になっているのは、間違いありません。
【中学受験】進学教室浜学園頑張る素敵な人になりたい
その後、産まれてきた我が息子は、
スポーツはさっぱり。
前転、鉄棒、跳び箱、ぜーんぶできません。
見事な運動オンチになりました。
(おっかしーなー??外遊びもけっこうさせたよ??ww)
じゃあ、親としては、『運動できない、勉強できない、不細工』という三重苦を少しでも軽減してあげたく、
年収500万をなんとかやりくりして、
学びを身につけさせてやりたいと、今必死です。
シングルマザーでも、シングルファザーでも、
子供3人家庭でも、田舎の農家の家庭でも、
子供の学びのために頑張った人がいて、
みなさんとっても幸せそうに笑ってたんですもの。
よかったよかったって、目じりに皺を寄せてよろこんでたんですもの。
だから、いつか私も、「大変だったけども、頑張ってよかった」って、彼らのように笑うことを夢見て、
今日も、節約がんばります!
あ、そういえば、この前は、最難関クラスのテストで
15点でしたわww
思わず息子と二人で大爆笑でした。
笑っている場合では無いんですけどねww
けれど、ひとしきり笑い終わったら、息子がこう言いました。
「ママ、だいすき!!」
なんだかすごく、嬉しかったですね。
今は、息子と一緒に、一歩一歩進んでいくこと、できる事からやっていこうと思う小3の秋です。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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【この記事を書いた人】
とろろ
四国の超絶イナカの公立高校卒業。同じ田舎から、
慶応義塾大学に進学したイトコと、その家庭と叔母を隣で見続ける。
高齢出産で産んだ我が子は、どんくさく、運動もダメ。それなら、叔母のように、子どもに学びを身に付けさせようと決意し5年。
中学受験を目指し、塾や家庭学習の事を書いています。