皆さんは、塾の先生が、時には親御さんとの計画の上で「怒る」というパフォーマンスをするのをご存じでしたか？
あのグレーヘアの男の先生は、元劇団四季の俳優さんなのかもしれません。
「怒ってください」と言われて、あのように、空気が震えるほど、怒れる人はいるのでしょうか？
アカデミー主演男優賞に輝いた俳優陣もびっくりの怒りっぷり。
ハリウッド映画監督からもオファー引っ張りだこ間違いなし。
そんな、塾の先生の演技力に,
私が心を震わせたのは（怖くて）、夏休みの夏期講習の日でした。
広島弁だったらもっと怖かったのではなかろうか？
怒る先生。そして、母は決意する。
小2の夏休み、8日間の夏期講習のため、
私と息子は、通いなれた馬渕中学受験教室に向かいました。
「頑張ってね～」と手を振りながら、息子が教室に入るのを見送り、さて買い物に行こうとしたその時、
ものすごい声が聞こえてきました。
「今これをやるとはどういうことだ！！」
「この時間にその理科の問題を解いておけと誰が言った？！」
「それからそっちも！ 質問があるなら、もっと時間を見てこいと何度も言ったぞ！」
回れ右をして塾の玄関に戻り、その端っこから、そ～っと様子を見ました。
塾には自習室もあるのですが、ロビーにも、テーブルや椅子、壁側には机を並べて、
授業以外の時間も生徒たちが勉強できるようにされています。
（小2の息子も、分からない問題があれば、授業の前に先生にそこで教えてもらっています。）
夏休みの時期は、大勢の5，6年生の生徒が、そのロビーでたくさん勉強をしており、
その中で怒られているのは、どうやら小6の男の子と女の子の２人のようです。
最後の夏休みの大事な時に、ちょっと簡単な問題をやって気分転換をしたのか、
算数をしっかりやれと言われているのに、理科に逃げてしまっていたのか、
のんびり登塾して、「先生教えてくださ～い、わかりませ～ん」とか、呑気に言っちゃった子でしょうか？
先生は、頭から火が出るんじゃないかというほど、彼らを怒っています。
我が家は関西圏でして、上記の先生の怒りセリフが関西弁なので、余計にコワイ。（ソフトにするために標準語で書きました。）
これがもし、広島教室の広島弁だったら、その数倍コワイこと間違いなしです。（任侠モノの影響）
そして、怖いと同時に、怒りも沸いてきました。
なんだ、あの先生は！
お家の人だって、出来るだけ怒らない様に怒鳴らないように、普段から気を付けて子供のサポートをしているのに、
塾の先生が、あのように怒鳴るなんて、なんたること！
あの怒られている子たちは、どうなるんだろう？せっかく勉強を頑張っているのに、一生の心の傷になるのでは？
塾の本部に電話し、クレームを言おうかと悩みましたが、
私もカッカと熱くなっているので、
少し日を置いて、
担任の先生と直接話ができる、懇談の日に、落ち着いて伝えることにしました。
懇談で真実を知る。動揺と赤面の母。
さあ、いよいよ懇談の日、
私は言いました、「年配の先生が、生徒を叱りつけているのを見ました。あのように、感情的に怒られるのは、困ります！」
すると、担任の先生は、
「お母様…あれは、実は生徒の親御さんと打合せの上での、演技なんです…」
は？？？
演技？？？
親御さんと打合せの上の？？？？
「毎年そのように、親御さんに頼まれるケースがあります。特に夏休みには…」
先生は、困ったような、ほんのり笑顔で続けます。
「そうやって、怒らなければ、本気にならない子もいるんです」
きっとその時の私は、目を白黒、口をパクパクだったのではないでしょうか…
やっと喋れた、第一声は、
「すごい演技力ですね…塾の先生って…」
先生の、迫真の演技を考察
激怒する塾の先生＝親の依頼で行われた、主演男優賞並みのお芝居だったとは…
よくよく考えればありうる話です。
親御さんだって、
親の言うことを聞かず、大事な夏休みだというのに、ダラダラと勉強をする子がいれば、
「先生、思いっ切り叱ってください！」
と、お願いしても全然おかしくないです。
私だって、もし小6の息子が真面目にやらなかったら「怒ってください、泣いてもかまいません」と頼むと思います。塾代だってバカにならないのですから、本気を出してもらわねば困りますもの。
それにしても、あの先生の迫真の演技ったらすごいです。
あれには、やはり、先生の本気が混ざっているからこそ、あのように鬼気迫る勢いの演技ができるのではないでしょうか。
その生徒に何が足りないか、今すぐやるべきことを把握し、本当に、「成績を上げてあげよう、引っ張ってあげよう」という気持ちがあるから、
あのように叱れるのではないでしょうか。
通りすがりの小2の保護者さえも、うっかりだまされてしまうほどに。
怒られているのを聞いている、周りの他の生徒も
「あんな風に怒られたくない」と思い、便乗して成績アップするかもしれません。
そして、受験が終わったら、
「あれは、先生のお芝居だったんだよ」と、ちゃんとネタバレしてあげるのかな？
多分しますよね。
きっと、ケアも抜かりないんだと思います。
というわけで、「お芝居」という衝撃の事実に、赤面と安堵した後は、
小3のクラス分けの話や、
成績順の席の話、
気になる中学の学校見学の事など、色々教えていただきました。
懇談の内容は、
また別記事にさせていただきます。
先生と親御さんの気持ちが伝わりますように。
いやあ、ホントにすっかり騙されました。
蜷川幸雄さんもビックリの、塾の先生の鬼気迫る演技は、拍手喝采です。
（塾の本部にクレーム電話入れなくてセーフでした～担任の先生に落ち着いて話して正解でした～）
怒られていた子ども達には、親御さんと先生の思いが伝わっているといいですね。
そして、志望校に合格し、皆さんで大喜びできますように！
心からエールを送ります！
さあ、我が家も後2か月で、新３年生のクラスです。
気合を入れて頑張らねば！
ちょっと気が早すぎますか？
息切れしない様にがんばっていきます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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【この記事を書いた人】
とろろ
四国の超絶イナカの公立高校卒業。同じ田舎から、
慶応義塾大学に進学したイトコと、その家庭と叔母を隣で見続ける。
高齢出産で産んだ我が子は、どんくさく、運動もダメ。
それなら、叔母のように、子どもに学びを身に付けさせようと決意し５年。
中学受験を目指し、塾や家庭学習の事を書いています。
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